事例紹介

事例紹介:アムニモ株式会社 - 数千台規模のIoTルーターの遠隔制御を容易に実現

2024年4月5日

「IoTルーター(屋外版) AR20」の遠隔制御システムとして「remote.it」を採用いただいているアムニモ株式会社様。今回、同社開発部の小嶋様にお話をうかがいました。

数千台規模のIoTルーターの遠隔制御を容易に実現

抱えていた課題、解決したかったこと

VPNより簡単で安価にセキュア通信を行える仕組み

当社は、横河電機株式会社の100%子会社で、「IoTとAIでつながる世界に貢献する」をミッションに「アムニモ」というブランド名でIoTとAIを活用したサービスの提供を行っている設立4年目の会社です。

ルーターやゲートウェイなどのIoTデバイスや、それらを管理するクラウドアプリケーションを自社開発し、パートナー企業が保有するコンポーネントと柔軟に組み合わせることで、顧客が求めるソリューションをパートナーとの協業により実現している。ソリューションを提供する領域は、映像、IoT、AIの3つで、それぞれのシナジーを創出しながら、顧客の業務プロセス改革を支援している。

具体的には、屋外に設置する監視カメラへの電源供給と映像処理を集約したIoTデバイスや、そのデバイスと連携してカメラ設定を遠隔操作できるアプリケーションを提供しております。

私たちが抱えていた課題は、従来のセキュリティ対策では、内外問わず発生する脅威や増え続けるアクセス経路やトラフィックに対しての対応が難しくなってきていた、ということです。

遠隔で監視カメラの映像にアクセスするわけですから、当然これを安全に見るための仕組みが必要になります。遠隔カメラのセキュリティ対策として有効だと10年以上言われてきたのが「ダイナミックDNS」です。しかし、グローバルIPが動的に変わるといっても、そもそもIPの数が少ない上に短い周期で変わってしまいます。誰かが直前まで使っていたIPを叩いてしまい、どこか知らない店舗の映像が見えたりする可能性があります。10年前はそんなことはなかったのですが、ここ数年で監視カメラ自体の数が劇的に増加したことでそういうリスクが増大しました。

もう一つの対策としてVPNがありますが、運用面での課題があります。VPNは緻密なルート設計が必要になるため、機器を安易に置き換えたりすると突然動かなくなったりします。最初に設計した人はわかるのですが、それ以外の人が対応しにくく、SIベンダーもあまり変更を加えたがりません。

基幹システムなど、そう頻繁に設定を変える必要がないシステムはそれで問題ないかもしれませんが、当社の顧客が求めるような、いわゆる「現場」で使われる機器やソリューションにおいては、高度なネットワーク技術と対策コストが必要になるVPNはセキュリティ対策としてマッチせず、もっと簡単で安価にセキュア通信を行える仕組みを探していました。

<アムニモ株式会社 開発部 小嶋様>

導入の経緯

エンジニアが「顧客の課題解決により専念できる」

「remote.it」を知ったのは、当社のパートナーの紹介がきっかけでした。初めて説明を聞いた時には「本当にそんなソリューションが存在するのか?」と、にわかには信じられなかったのを覚えています。

「remote.it」は通信キャリアの提供するLTE回線に対応しており、アムニモが開発しているLTEルーターとの相性がよかった。「remote.it」がプリインストールされたLTEルーターなら、設置場所が限定されず、複雑なネットワークの設計を行わなくとも直ちに利用することができます。

特に、これまで個々の案件に対してVPNを構築する必要があったエンジニアたちには「remote.itがあれば、顧客の課題解決により専念できる」ととても歓迎され、スムーズに導入を進めることができました。

<remote.itを用いた簡易な遠隔制御システム>

Remote.Itを評価したポイント

確実にコストダウンでき、運用が格段に楽になるので提案しやすい

高価なシステムや面倒な設計が不要なのでコストダウンできますし、運用も設計も楽になるので、営業・ソリューション的にも提案しやすいです。特に経営者の方は、安く実現できる点とランニングが簡単になる点を高く評価されますので。また、当社のエンジニアは、面倒なネットワーク設計に時間をとられなくていいという点がとても気に入っています。これまで不可能と思っていた環境での接続が可能になること自体、技術的な探究欲をくすぐるものがあるようです。

導入効果と今後の展望

あらゆる機器をセキュアにネットワークにつなぎ、現場を支援したい

現在、当社が開発したIoTルーター「AR10」「AR20」、エッジゲートウェイ「AG10」「AG20」の遠隔制御システムとして「remote.it」を採用しています。「remote.it」のクライアントアプリケーションがプレインストールされており、設定や利用開始までの作業を大きく短縮しながら、PC等を用いた簡易な遠隔制御が実現可能となっています。今後、開発中のIoTルーター「AC10」にも採用予定です。

「remote.it」は、デバイスやプラットフォームなどの環境を選ばないため、高度なセキュリティを要するあらゆる用途の通信に活用できると思います。現在、監視カメラや遠隔メンテナンスといった用途で、数千~数万台規模の機器を運用している警備会社やメーカーに向けて提案をしているところです。既存のネットワークを変更することなくremote.itに置き換えが可能なため、よりセキュアで安価なソリューションとして提案できています。

今までネットワークがつながっていなかった機器というのはまだまだあるので、「remote.it」でセキュリティを担保し、日本中の現場を支援したいですね。     

企業名:アムニモ株式会社(横河電機株式会社 100%子会社)

業種:製造業

企業規模:資本金9,000万円、従業員 88名(2021年12月末)

目的・課題:IoT・AI・ソリューションにおけるセキュリティ対策

キーワード:監視カメラソリューション

導入ポイント:従来のVPN接続よりも簡単・安価・低負荷で、かつ運用が容易であること

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