おとぎ話に詳しくない人向けに説明すると、シンデレラという名前は、彼女が暖炉の「灰(cinder)」を集める役目を担っていたことに由来します。だとすれば、IPアドレスの継子(ままこ)にあたるアドレスがlocalhostアドレスと呼ばれるのも納得です。というのも、物理的にそのマシン上で作業しているときにしか使えないからです。あるいは、別名のループバックという呼び名も同様です。TCP/IP黎明期には、マシンがあまりにも高価だったため、ソフトウェアをテストするための唯一の合理的な方法が、ケーブルをそれ自体にループさせて戻すことだったのです。
ファーストクラスのグローバルアドレスや、ビジネスクラスにあたるプライベートアドレスといった同族と比べると、しがない127アドレスは貨物クラスの地位に追いやられており、主にデスクトップアプリケーションのプロセス間通信の管理や、Webサービス・サイトのプロトタイピングのために開発者が使う程度にとどまっています。
TCP/IPプロトコルの美しさは、そもそも壊滅的な事態を生き延びられるよう設計されていた点にあります。だからこそ、私たちが知るインターネットの土台となったのも不思議ではありません。このプロトコルの重要な原則の一つは、誰かが「こんにちは」と言えば、受け取った側も「こんにちは」と返すというものです。残念ながら、この基本的な特性は現在、デバイスを「見つけ出し」、どこを攻撃すべきかを特定するために悪用されています。インターネットの及ぶ範囲がますます拡大するにつれ、この攻撃対象領域も拡大を続けており、デバイスがハッキングされたというニュース記事がほぼ毎日のように見られる状況になっています。
プライバシー、localhostの守護妖精
コンピュータ上でアプリケーションを実行する際、そのサービスアドレスを0.0.0.0にバインドするのが一般的な慣行です。これは、割り当てられているあらゆるIPアドレスからそのアプリケーションにアクセスできるようになることを意味します。利便性の面での利点は、そのIPアドレスが見えるあらゆる場所からそのアプリケーションを簡単に見つけられることですが、それはまさにプライバシー上の不利益とも表裏一体です。
すべてのTCP/IPスタックが提供している興味深い代替手段は、サービスを0.0.0.0ではなくlocalhost、すなわち127.0.0.Xアドレスにバインドするというオプションです。プライバシー上の利点は、そのデバイスの外向きIPアドレスが見える場所からは、もはやそのサービスが見えなくなることです。明らかな利便性の不利益は、そのサービスが物理的にそのマシン上にいる場合にしか利用できないという点です。
訂正します。それはかつては欠点だった、というべきでしょう。
パブリックIPアドレスや開放ポートなしで通信する
私たちのチームはネットワーキングに関する深い専門知識を持っています。誰もが当たり前のものとして扱っているネットワーク層を熟知しており、TCP/IPをシリコン上に実装する特許まで取得しています。エンドポイントを本質的に安全なものにする、つまり脆弱ではなく、露出させるのではなく自動的にプライベートな状態にするにはどうすればインターネットを改善できるかを自問したとき、私たちはその答えがアプリケーション層にはあり得ないと気づきました。答えはネットワーク層になければならなかったのです。
そこで私たちは、企業や個人がVirtual Private Internets(VPI)を作成できるようにするためにremote.itを構築しました。VPIを使えば、デバイスのグループがパブリックインターネット上の悪意ある第三者によるスパイや侵入を心配することなく、安全に通信できるようになります。VPI上のデバイスは互いを認識し、自由に通信し合える一方で、一般的なインターネットトラフィックに対しては応答せず、見えない状態になる「ドロップスタンス」を取ります。
VPI上のデバイス同士が通信する際も、依然としてIPアドレスを介して行われます。ただし、それらがたまたまlocalhostアドレスであるというだけです。優れている点は、通信インターフェースが従来通りのIPアドレス:ポート形式のままであるため、アプリケーションを書き直す必要が一切ないことです。
私たちの企業顧客は、VPIを活用することで、オンプレミス機器や人員の可用性を気にすることなく、膨大な数のデバイスへの安全なネットワーク接続と通信を実現できます。remote.itのVPIソリューションは、ソフトウェアとクラウドマネージドサービスのみで展開できるからです。
可用性とセキュリティ
年間数十億台ものコネクテッドデバイスが導入される中、企業はもはやデバイスレベルでのパブリックIPアドレスや開放ポートのリスクを受け入れることはできず、かといってあらゆるデバイスをオンプレミス機器と人員で保護しようとする費用も受け入れられません。
remote.it上に構築されたVirtual Private Internetsは、ソフトウェアとクラウドサービスのみを通じて、TCP/IPが本質的に備えるセキュリティを活用し、インターネット内に容易に展開できるプライベートネットワークを実現します。
詳しくはお問い合わせください: sales@remote.it