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事例

アイディア株式会社 - IoT機器のセキュリティ対策としてRemote.Itを導入

· 約7分で読了
アイディア株式会社はIoT機器のセキュリティ確保にRemote.Itを活用しています

アイディア株式会社、IoT機器のセキュリティ対策としてRemote.Itを導入

インタビュー:アイディア株式会社 CTO 千葉様

船舶管理プラットフォーム「AISEA PRO」で事業者向け船舶搭載機器のセキュリティ対策を実現

解決したかった課題

柔軟なメンテナンスができる通信サービス

私たちは、海事産業プラットフォーム「AISEA」を開発・提供するスタートアップです。CEOの下川部が開発した釧路港を管理する「SmartPort(スマートポート)」というサービスをきっかけに、2017年に創業しました。2018年にベータ版をリリースし、東京と釧路で実証実験を開始。2019年に量産化にこぎつけ、2020年には複数の海運会社に導入いただき、2021年現在、事業はさらに拡大しています。

私たちのサービスは大きく2つに分かれています。1つは小型船舶向けの「AISEA」、もう1つは事業者向けの「AISEA PRO」です。

船舶は実にさまざまなデータを送受信します。例えば、500トン以上の船舶は自船の位置や識別情報を送信することが国際的なルールで義務付けられており、AIS(自動船舶識別装置)の搭載が義務化されています。私たちは日本国内の主要な港に受信機を設置しており、陸上アンテナから受信するAIS情報、船舶に搭載する自社製IoTプロダクト「AgentUnit」の情報、そしてiOSアプリ「AISEA」を利用するユーザーのGPS情報を受信できます。これらすべてを統合し、港内で現在どのような船舶が動いているかを地図上で可視化することで、安全な運航を支援しています。また、航路設計や航海計画、将来の気象・レーダー情報、エンジンやボイラーなどの機関に関する情報も収集しています。

海事産業プラットフォーム「AISEA」は、海に関するさまざまな情報を可視化し、メーカーや海事関係者に提供しています。

「AISEA」用のデータ送受信を行うIoT機器も自社で製造して船舶に設置していましたが、当初導入していた監視ツールはコマンドラインでの対話的なやり取りしかできず、ソフトウェアをライブアップデートする柔軟性がありませんでした。また、運航に関するデータを安全に送受信するために、IP/ポートをグローバルに公開せず、必要な時だけルートを作成できる接続ツールをウェブで探していたところ、「Remote.It」を見つけました。

導入の経緯

ウェブで検索して、30分後にはトライアルを開始し、「これでいける」という手応えを得ました。

たしか2019年の春だったと思います。当時、東京海洋大学との共同研究を進めており、外部からアクセスできないネットワーク環境を試行錯誤しながら構築していました。どう開発・保守すればよいか悩んでいたところ、ウェブで検索し、約30分で「Remote.It」の英語サイトを見つけました。まさに探していたことができそうだったので試してみました。トライアルで「これは使える」という手応えを得たので、まずはメンテナンス用に使い始めましたが、サービスを登録することで特定のポートごとに接続できることがわかり、ライブカメラ連携なども試すうちに、「SSL 443番ポートにもつなげられるかもしれない」といったさまざまなアイデアが浮かび、サービスの幅を広げることができました。

例えば、船舶に設置するサーバーは通常閉じた環境で稼働していますが、必要な時だけRemote.It経由でユーザーがアクセスし、情報の確認・更新を行える仕組みを作るのに活用しています。

すでに2020年秋の時点で、自社の製品システムの一部として50台以上の機器に導入していました。ちょうどこの頃、Remote.Itから接続時のAPI呼び出しについてアドバイスの連絡がありました。

評価のポイント

すぐにダウンロードして試せるスピード感と、特定のプロトコルに限定されない柔軟性

私たちはスタートアップなので、意思決定後すぐに導入できるスピード感は非常に重要です。ネットワークに関わるシステム変更には多少不安もありましたが、私たちの「AISEA」プラットフォームは日本の国内海運業界にまだ存在しないサービスだったため、できるだけ早くインパクトを出そうと決めました。

特定のプロトコルに限定されず、あらゆる環境で動作する柔軟性も高く評価しています。Remote.It導入以前は、高価な産業用LTEルーターを購入し、固定IPのSIM回線でVPNを利用していました。しかし船舶は広範囲を移動するため、基地局が切り替わるたびにVPNが不安定になるといった問題がありました。Remote.Itなら、そうした大掛かりでコストのかかる環境を構築する必要がないため助かっています。

APIも非常に役立っています。例えば、船舶に搭載したカメラへの接続に使用しています。「カメラに接続」ボタンを押すと、その場でRemote.ItのAPIが呼び出されて接続され、ユーザーは本当に必要な時だけ回線を開くことができます。いずれにせよ、船舶に設置した機器は外部に公開されていないため、外部から侵入される心配がないので安心です。

導入と今後の計画

50隻以上の船舶・重機でRemote.Itを利用。常時オンライン接続となる入港船舶のセキュリティを強化

現在、Remote.Itは船舶や港湾工事で使用するパワーショベルを含む100台以上の機器に導入されています。導入企業・個人ユーザーの数は着実に増えており、今後も搭載機器の数を継続的に増やしていく予定です。

私たちの最終目標は、世界的にホットなテーマである自律航行船の実用化です。これを実現するには、船舶を可視化する必要があります。そのために、今後も海事産業プラットフォーム「AISEA」の改善を続けていきます。

例えば、航海計器と連携してレーダー情報をリアルタイムで表示し、画像解析によって船舶や物体を検知できるようにしたいと考えています。漂流物はレーダーには映らないため、複数のデータを同時に表示・判断できるようにしたいのです。現在は学習データの収集段階にありますが、構築したモデルをブリッジのコンピューターに搭載し、船舶自体が判断を下せるようにしたいと考えています。

さらに、現在多くの船舶が外洋航行時に利用している静止衛星通信では、船舶が衛星のカバー範囲を外れると、次の衛星が到達するまで陸上との通信が途絶えてしまいます。一方で、低軌道に多数の小型衛星を配置してメッシュネットワークを構築することで、海上を含む世界中のほぼどこでもほぼリアルタイムの通信が利用できる世界が、あと5年ほどで実現すると言われています。つまり、外洋にいてもオフラインにならなくなるということです。これは、これまで以上に船舶のセキュリティが求められることを意味しますので、今後もRemote.Itの機能をフル活用してセキュリティ課題に取り組んでいきたいと考えています。

会社名:アイディア株式会社

業種:船舶制御システムの開発・運用サービス

企業規模:20名

目標:企業向け船舶管理プラットフォーム「AISEA PRO」のセキュリティ対策

キーワード:海事産業プラットフォーム、船舶運航支援

選定理由:導入までのスピード、プロトコルの柔軟性、使いやすいAPI

← すべての記事 更新日: 2024年4月5日
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